BOSS CATの感動あれこれ
超今更ですが・・・
BOSS CAT ~シャルル・ペロー「長靴をはいた猫より」~
とても面白い舞台でしたね♬
大我さん、初主演舞台を東京・大阪にて駆け抜け、見事演じきられたことと思います。おつかれ様でした。
監督や共演者の皆さまをはじめとする、制作・上演に携わったスタッフの方々に置かれましても、素敵な舞台を観せてくださり、本当にありがとうございました。
初日から大千穐楽まで毎回が素晴らしい好演だったことでしょう。
そのうち、私が今回観劇することができたのは、大阪初日・昼の部でした。
とても楽しかった。有意義な時間となり、思い切って行って観ることが出来て、本当に幸せでした。
ここからは自分のための覚え書になりますので、ご興味とお時間のある方のみ読まれてください。
遡って春の終わりのころのこと、無事にチケットを押さえることができ、お休みを確保するぞと意気込んでおり、とにかくとてもワクワクしていました。ただ後日座席の位置を知ったとき、後方の端っこだったので若干・・・いや結構落ち込みました。
でも実際に目の前で繰り広げられる演技を見れることに変わりはないし、僅かでも同じ時間を共有できる。舞台の世界に浸れればいいじゃないかと気持ちを切り替えておりました。
東京公演が始まり、
役者さんが舞台に降りるときがあるよー
とか
アドリブがいっぱいでかわいいよー
とか
とにかく笑えてロック(パンク?)でポップな演出だよー
とか
観る前から楽しみが募る感想が多くて、再度ワクワクしてきました。
大丈夫、行って後悔しない。
迎えた観劇当日、最初の関門。シアタードラマシティに辿り着けるかどうか。
なにせ大阪に行くなんて初めてで、しかも一人だし、晴れれば猛暑なのも予測されてたので迷ったらくじけちゃうなと。
結果、ちょっと困ったけど、地図と道の表示を照らし合わせながらなんとか到着。
一度ドラマシティの上の1階スペースを抜けて外に出ちゃったので、目的地のはずなのに!と焦ったけれど、大我くんの顔つきBOSS CAT案内があって「こっちだよ」って書いてあったので、めちゃくちゃほっとした。
着いた時間にやや余裕があったので、開場まで立って待つことに。同じく舞台を待っているファンは可愛い方々がたくさんで、どきどきと緊張が。
チケットを渡して、パンフレットを買って読んで、とりあえず観劇スタートライン。
お父様からのお花は爽やかであたたかな ひまわりでした。
会場内に音楽が流れてきます。・・・うーん、これずっとこの調子の音楽だとちょっと辛いかも(クラシックやゆったりバラード好きの私にはちょっとハードル高めの曲に感じたのです)なんて思いつつ、会場入りしセットを見ます。おもしろい!
明らかに猫が遊びだしそうな、木のアスレチックみたいなセット。
席につきのんびり待ちます。
たぶん、顔、とくにメイクや細かい表情描写ははっきり見えないかもしれないけど、表情の変化は十分わかるし、役者さんの動きや全体の構成がよく見えて、予想および覚悟していたよりもかなり近いのかも。楽しみがさらに募ります。
ぼちぼち・・・?なんて思っているうちに、明かりが消え、音に引き込まれ、一気に物語の世界へ。
いきなり役者全員が舞台の上にいらっしゃいました。なんとなーく役者さん同士の会話で始まるんじゃないかと予想していたのですが、「ネコ」の語る「猫と人間」の関係性からの幕開け。やばい、おもしろい‼
言葉選びとか、テンポとか、なんか語彙や視点や記憶が貧弱で上手に表せないんですけども、ほんとに楽しくて。
3兄弟が椅子からドンドン跳びおりながら会話していく場面になったころには、舞台観劇に抱いていた不安も不満も吹っ飛んでいて、楽しめる、元とった、って思いました。
役者の方たちの演技が、迫力も説得力もあり素晴らしいってことは大前提として。
まず、セリフが素敵です。遺産相続の話から始まって、時代背景とか、設定とか、「あ、そんな感じ?」って。でも無理がなくて、どなたかの経験に基づいてるのかなって勘ぐりそうな具体性に、この段階でここまで深く、しつこく話してしまって、100分間で舞台が終わるの?って心配になりました。結果、全編通して超楽しかったし、収まってました。
次に、照明。真っっっ暗になったときから舞台に引き込まれて、あとは光の表現のままに場面を観ていきました。ドキドキやきゅん、ゾクっともして、非日常の世界観を味わうことができました。
そして、曲もすごく面白い! 正直、ロックとかパンクとか線引きがよく分かんないんですけど。ポップだったりドラマティックだったり、初心者にもやさしい(?)曲調のものも多くて、単純に楽しみました。フッフー♪
オトナ向けのシニカルな舞台、でも忘れられていない童話の世界。
個人的に観劇前の「長靴をはいた猫」の予備知識はアニメだけ、それも十何年も前に見た切りで記憶も薄れていましたが、あえて何も原作の情報を上書きせずに観たのでちょっとだけ弊害が。
オーガってなんだっけ? うさぎなんて出てきたっけ?
うさぎに関しては冒頭の犬と同様(?)、猫との比較に使われる象徴的なもの。そして、語られるだけのおそらく自然な終末である父君の死、の次に描かれる、見せしめの殺害による死、それも猫の手で。その被害(者)うさぎさんは、なるほど、メインキャラクターなんだなあと納得しました。
たぶん、こっちは問題、オーガを忘れてる。しかも、観劇の中で確か説明を言ってくれてた場面があったはずなのに、なんか一瞬ぼーっとするときあるじゃないですか。それで「あれ、今んとこ巻き戻したい」って思いながら「いや、こういうことか?」って考えながら見てしまった。演技にはちゃんと感動してたんだけどね。
結局、終わってからググってみました。うぃきさんありがとう。
ogre(英:オーガ ・仏:オグル):伝承や神話に登場する人型の怪物の種族。
北ヨーロッパでは凶暴で残忍な性格であり、人の生肉を食べるとされる。一方で、引っ込み思案で臆病という面もある。知性や賢さといったものはほとんどなく、人間が彼らを倒すことは難しくない。また、自由に動物や物に姿を変えることができると言われている。住処は大きな宮殿や城、または地下である。
元々は人食い怪物のことで明確な名前があったわけではなかったが、オーガ(オグル)という名前がシャルル・ペローの小説『長靴をはいた猫』で初めて与えられた。
日本では「鬼」と訳されることが多い。
まさにこんな感じだった!(おい・・・)
10回の命を繰り返す猫と永遠の命から逃れられないオーガ。魔界の遣いの駆け引きにて、猫がオーガを封じるけれど、結局猫の運命は?さみしいものになるのでしょうか。
生と死と、生き方と生かされ方と死に様と、輪廻転生の泡沫と金剛を感じさせられる時間になりました。
一応、きょもちゃんのファンですから、そちらの感動も少々。
席が後方ではありましたが、数回に渡り客席降りをしてくれたので、メイクをそこそこ確認できる程度の距離でお顔を見る機会もありました。双眼鏡が出てこなかったハプニングもありましたが、そんなこともあるかと貴重に感じました。
真っピンクで猫って、全然違和感ないのも不思議な話ですが、可愛らしさもカッコ良さも美しさも堪能できて、贅沢な作品ですね。何より、カンパニーに愛されてるのも感じられて、良い舞台に恵まれたのだな、と。
充実感からか、驚異的な暑さも苦にならないほど、帰り道の足取りは軽かったです。
叶うなら、もう一度観たかったな。
演じる人の分だけ、演じた回の分だけ、観る人の数だけ、残るものが違う気のするBOSS CAT。またの機会があればまた、次のご縁を願って、
「お休みなさいまし🐈」