万花の蜜と星燈り

幸せに繋がる気づきを綴る

ルドルフに感謝をこめて

*自分語りの記事です。ご不快に思われた方はそっとページをご移動ください。

 

2016年の秋、私の中で革命が起きました。
長年、観劇したいと思っていた舞台「東宝版ミュージカル エリザベート」を観ることができたのです。

舞台の存在を知ったのは小学生の頃。母から観劇してきた感想を聞き、買ってきてくれたCDを聴き、パンフレットを読んで舞台演出を想像する日々。

ルドルフ役の井上芳雄さんの歌声に聞き惚れて、来年こそは観に行こうと思ったときにキャスティング変更があり、なんとなく行きたいモチベーションが下がったのでスルー。今思えばなんてバカなことをしたんだろうと思うけれど、部活を休んで、お小遣いからチケット代を払ってでも行きたいか? という自問に、当時の私は「No」と答えたので、納得していて後悔は少ない。

その後、TV番組「誰でもピカソ」で、井上さんがルドルフ、宝塚の姿月あさとさんがトートパートで歌われた「闇が広がる」に感動して、好きが膨らむ。友達と行くカラオケでも、「何の曲?」って聞かれながら歌ってた。付き合ってくれたお友達、本当にありがとう。

いつかは舞台を観に行きたいと、CDに入ってる曲を全部丸暗記(耳コピ)して、家族と合唱♬ 黄泉の世界はなんて魅力的なのでしょう。その他、ミュージカルの内容を下敷きにした漫画や、ときどき歌番組で取り上げられる「闇広」、たまに特番されるミュージカル情報などで、エリザベートの世界をゆるく感じながら年月が経っていきました。

高校・大学になると、まあ時間とお金がないこともなく、だからといって有り余っているわけでもなく。実際の舞台を観ないでも世界を楽しむことに慣れ切ってしまった私は、行動するきっかけを失い、さらに月日が流れるうちに、この先観に行く機会がないままなのかなって、感じることもありました。

ところが! そんな私に素敵なニュースが舞い込みます。
2015年、井上さんがトート役でエリザベートに還ってくる。これは観たい!

でもその年の私は、ミュージカル観劇に割くための余裕が本当になくて、悔しくも諦めました。ありがたいことに、エリザベートの舞台は2年連続、ほぼ同じキャストで行われると知りましたが、翌年も私的な状況に変わりはなく、行ける可能性が限りなく低かったので、諦めモード。これまできっかけを待っていたけれど、本当は行かない理由を探していただけかもしれないと省みて、ちょっと落ち込んだりもしました。でも、行けない現実は変わらないのだから仕方ない。

 

さて、そんな2015年の末、私はなぜかSexy Zone佐藤勝利くんと中島健人くんが歌うNew Day(少クラver.)を目にしました。なにこれかっこいい。
語ると長くなるので割愛しますが、そこから少クラの存在を知って2016年春から視始めました。そして夏ごろ、スペシャルダンスナンバーを発表するSixTONESに目が留まります。やばいこれかっこいい。繰り返すこと十数回、京本大我くんの歌声と踊りが一番好みだなと思い、検索。その結果、

え、二世なの? っていうか、ルドルフ演ってるの??

ジャニーズのことに疎い方だと思われる私は、なんとなくの噂で、「jr.に芸能人の二世がいるらしい」「ジャニーズの子がエリザベートの舞台に立つらしい」ということは認識していました。でもそれが同一人物を指すなどとは露知らず。

で、それが、今最も気になるパフォーマンスをしているこの子なの?

しかも、今回の舞台で初めてDVDが出されるのに、京本くんはCDにもDVDにも歌声や姿が残らないらしい。舞台を観に行くしかないじゃないか。

それに気づいてから、奇跡的にあまり苦労なく時間の調節がついてくれたので、今こそ観に行ってもいいときなのかと、自分にGoサインを出しました。
そして無事、2016年10月、ミュージカル エリザベートを初観劇することができました。

 

吹奏楽部出身なので、開演前から聞こえるオーケストラピットの楽器音で、テンションが上がります。本当に生オケって素敵ですね。

シシィの蘭乃はなさんは申し訳ないのですが、よく知らず。けれど、透きとおった美しさのある方で大満足。皇帝フランツとの「夜のボート」がこんなにも綺麗な曲だったのか、とハッとさせられました。

ルキーニは活躍を目にする機会が増えて気になっていた、山崎育三郎さん。イメージは甘いマスクと声だったので、どうルキーニを演じるのか楽しみにして行きました。歌は力強くて少しドライで好印象、純粋にかっこよかったです。

トートは念願叶って、井上さん。生歌は流石の迫力で、劇場に響く声に包まれるのが心地よかった。歌唱パートの多いトートを井上さんで聴けたことはとても贅沢でした。10年以上かかったけれど、この人に会いに来れてよかった、諦めなくてよかったと思いました。

私の中では、ルドルフ=井上さんのイメージがどうしても強くて、京本くんをきっかけに観劇を決めたにも関わらず、若干の不安を抱えていました。「京本ルドルフを実際に聴いて好きになれなかったらどうしよう」って。
要らぬ心配でしたね。ルドルフの京本くん、儚くて美しかったです。歌にも踊りにも魅せられました。操り人形のような解釈があるように感じて、それがとても彼に似合っていて、丁寧に真摯に役に向かいあったんだろうと思いました。遺される媒体が記憶だけなのはもったいないです。だからこそ、少しでも感動が残るように綴るのですが。

もちろん、他のキャストの方たちも素晴らしかったです。「ミルク」や「悪夢」は元々好きでしたが、もっと好きになりました。合唱曲は特に音に厚みがあってゾクゾクしますね。

正直、舞台はあっという間に終わってしまった印象で。もっと聴いていたかった、観ていたかった。息づいているリアルな舞台の魅力を知ったので、これからは観劇の機会を逃さぬようにしたいです。どうぞこの先に素敵な出会いがありますように。

最後に。

京本くん、現場に引っ張り出してくれてありがとう。これまで夢のまた夢でしかなかった芸術の世界を、現実に感じることができました。私にとっては大革命な出来事です。
そして、あなたは観る人の心にしっかりと残る、素晴らしいルドルフでした。本当に幸せな時間をいただきました。心から感謝しています。

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

さて、しばらくはDVDの力を借りて、のんびり自宅鑑賞をしてまいりましょう。

 

今回の観劇を後押ししてくれたものが、もう一つ。近日、中日劇場の取り壊しが決定しており、エリザベートの公演が今後も続いていくとしても、中日劇場では今期が最後になるということ。色々な方に聞くと、ステージと客席が近くアットホームな劇場というので、一度入ってみたいと思い、それも叶って嬉しかったです。
日劇場さん、素敵な時間をありがとうございました。