万花の蜜と星燈り

幸せに繋がる気づきを綴る

新聞を買いに

日本初上陸 アラン・メンケン作曲のブロードウェイ ミュージカル

 NEWSIES

念願叶って、観に行くことができました♬

本当に、ほんっとうに幸運だった。

 

この夏。

チケットの権利を得られたときは、実際に手にしていいのか凄く迷った。

行きたい・・・行きたいけど。

気持ちだけで、100%行けるって確約のない私が、
とある1日の貴重な1席の可能性を埋めてしまってもよいものなのか。

決済の最終日まで迷って、結局権利を確保した。

そうしたら、日生劇場の結構素敵なお席をいただいていて。
もう、行くしかないよねって覚悟を決めた。

嘘になりたくないから、周りに一切伝えずに、10月を迎えて・・・

風向きが変わった、行ける。

行っていいよ、楽しんでいいよって応援されているみたいなスケジュールの流れ方に
感謝しかなかった。

 

当日は、それこそ学びが多くて。

出発までも、劇場に向かうまでも、思わず心が乱される出来事が
大小いくつか起こったのだけど、「とにかく楽しく観る」ことに意識を注いだ。

助けられたのは、ファンレターを書いたこと。

あぁ私、この日を楽しみにしていたのよね、と鎮められた。

ご時世もあるから、もちろん渡すことはできなかったので残念ではあったけど、
自分が「書いた」ことを大事にしたくて。これまでどおり行きがけに記すことで
気持ちを整理できて。劇場についてからは穏やかに過ごせました。

あ、劇場隣りのカフェで食べたキッシュと紅茶が美味しかった。
接客のお姉さま方、優しい対応をありがとう。

 

さて、入場。

あらすじと時代背景、テーマ曲の雰囲気だけ予習して、
できるだけ先入観を持たずにいたけど、パンフレットで直前に復習。

ぽやんとしてると、きょもちゃんの声で、注意喚起のアナウンス。
ああ、これからほんとに観れるんだなって感慨深くなってみたり。

お席はGC階席の後列。段差もしっかりあって、まったく観るのにストレスなくて。
細部は困難でも、役者さんの表情の変化や衣装のディティールは分かるくらい。
後列って後ろへの配慮を失念しててもいいから、楽だった・・・ありがたい。

遠くでチューニングは聞こえてきてるけど、オケピは奥のほうなのかな・・・?

 

ついに暗転。

京本ジャックと松岡クラッチーの煙突の屋上での会話からスタート

夢を語る ♪サンタ・フェ 

きょもちゃんが、小池先生に「成長している」と褒めてもらっていた歌声は
厚みも深みも増していると感じられるものだった。
鍛えていただいたんだな、と嬉しくなった。

あと、当然なんだけど、曲最高。

 

ここからは、ひとりづつの感想を。

 

 

京本ジャック

きょもちゃんにジャックって名前はズルいよね。
タイタニックで育った私には、きょもプリオからのジャック・ケリーで
カードが出揃った感覚。(なにが)

リーダーシップについて、いくつか雑誌の語りからイメージを膨らませていたけれど、
グイグイ引っ張るわけではなくて、誠実さと繊細さで信頼を得てまとめるタイプ。
圧倒的な存在感で場を掌握するよりも、コツコツ日々の生活を積み上げた中で
「こいつの判断になら乗っていいんじゃね」と思わせる魅力がベースにあるのかな。
もちろん、ジャック個人のカリスマ性はしっかり表現した上で、
ニュージーズみんなの個性にも光が当たって、それぞれの少年が必死に生きてるんだなって感じることができた。

また繊細なリーダー像であるが故に
悪態をついたり、舌を巻いた話し方をするときに、17歳よりも幼く見えるのは
きょもちゃんの持ち味で長所だと思っているけれど。
オリジナルのイメージに寄せているというか、そっちの良さを活かしたたために
会話やストーリーの展開に違和感を感じてしまう部分がないわけではなかったかな。
滑らかじゃない、というか。個人的な感覚なだけで、悪くはまったくないけれど。
私が観たのはすでに2週間前、きっとすでによりよくなってるだろうし、
千穐楽までステージを重ねていくことでさらにブラッシュアップされていくはず。

紡がれるのは仲間との信頼関係、キャサリンへの恋情、それを取り巻く大人たち・・・

絵を描くのが好き、という、きょもちゃん本人とのリンクがあるのも嬉しい符合。

特に子役の子との絡みで頭を優しく撫でる仕草や、
キャサリンに「ここに何かある?」と尋ねたときの纏って滲み出る柔らかさは、
きょもちゃんを好きでいてよかった、と心底思えるものだった。
きっと私はこのリアルを観に来たんだ。好きでいられて幸せです。ありがとう。

 

咲妃キャサリンさん

かわいい! 生けるディズニープリンセス。評判通りの方でした。
歌も、ダンスも愛らしくて。かつ、基礎がしっかりされていて、優雅。
女の子だもの、こんなふうになれたらステキだな、が詰まっていました。

タイプライターの前でコミカルに職業魂を表現するときに、キュンっとして。
この人なら信じて大丈夫。
ニュージーズの中で紅一点で踊るシーンは、本当に華があって目が離せなかった。

敵方のお嬢だったけど、自分の見識と立場を冷静にみていて、意志のある行動派。
最後はサンタ・フェへの夢より、彼女への愛を選ぶジャック。

複数回織り込まれたキスシーンは、ファンへの配慮が詰まっていて、
もちょっと攻めてもいいのになって思うくらい。
でも、こんなゆるふわファンでもいざその場面を目にすると少し心はざわついたから、
これくらいでありがたいのかも。

富をと権力を身近にして育った彼女が、ジャックの生き方に共鳴し愛を育む軌跡が
その終幕の「めでたし めでたし」で終わらない未来に続くと願いたいです。

 

松岡クラッチーさん

きょもちゃんが、自分も演じてみたかったと言っていたのを聞いて、
どんな役どころなんだろうって思ってた。

先に観られている方の感想を目にしたときに、
きょもちゃんとの歌のバランス(方向性)を指摘されている方がいて。
芸術に善悪や貴賤はないけれど、よりよい相性はあると思うし
世界観を成立させるために個々の性質をもとにマリアージュしてほしいもの。

キーマンであることは確かなので、役者さんのバックグラウンドの差異も含めて
どんな感じに響きあうんだろうって楽しみだった。

いざいざ幕が上がると、前半は足の悪さを活かしたステージングで、魅力的。
リーダーを務めるジャックと考え方の違いはあれど、
ニューヨークの影を逞しくユーモラスに生きる強さがあって。
歌声も、ジャックとまろやかに混ざって聞き心地がよい。素敵じゃないか。

後半、感化院でのソロは、イントロがリトルマーメイドを彷彿とさせて、泣ける。
ねずみちゃんはマジで怖かった。いるやつじゃん、あのサイズ。
仲間たちが画策し粘ったことで、始めたストライキがついに実を結び再び日の下へ。

途中、ねー、まだクラッチー出てこないの? 大丈夫なの?

って感じるくらい、クラッチーロスになるよね、ほんと。

心の揺らぎや関係性で苦しみを担って表現するのがジャックなら、
物理的な痛みを踏まえて底を伝えてくれるのが彼でした。
でも明るさが感じられるから救われる。

 

清史郎くんデイヴィ

成長が嬉しい役者さん。多くの方が、親心をもって見守るのではないでしょうか。

彼が子ルドの経験者だと知ったのは、務めていた舞台のかなり後。
留学して帰ってきて、どんな役者さんに育ってるんだろうっていうワクワクは、
TVドラマの「モコミ」や「ドラゴン桜」で一足先に目にすることができた。

デイヴィは頭の固い、フツーの子。その普通さが、平穏の象徴。
それが欲しいとも思わないほど、みんな孤独なのがニュージーズなのね。

弟が容量がよい分、時に情けなさが表面に出て不憫に感じるくらい。
それが翻って賢さとなる、ここを表現できるのが強みだと思いました。

どうぞこのままで、大切に育っていって。

 

西田レスくん

かわいー‼ 生き抜く力は大事だよね。

ミュージカルの子役さんは本当にお上手なんだけど、今回も見事に。
役柄として美味しいところを持っていくのはご愛敬。

お兄ちゃんたちに愛されていて、大切にされているのが伝わってくる。
アイドルですね、ほんと。ずっと舞台上にいてほしい、輝く星でした。

 

ニュージーズの皆さん

踊りがいいよ、すごいよ! という声は聞いていました。
若者たちの1年半越しのエネルギーが詰まっていることも想像していました。
でもほんとうに、その予想以上、期待以上でした。

 ♪「新聞売るぞ」

この声、歌の響き、本当にその場で聴けて素晴らしかったの。

熱い、力強い、武者震いしました。すごい満足感です。

常に舞台全部を駆使して、くるくる、ぴょんぴょん・・・
汗すごいよね、体しんどいよね、がんばってくれてありがとう。

 

アラカルトの皆さん

安定感半端ない、さりげないサポートも演技も。

全部のキャラクターに意味があることは分かったの。

中途半端に語れない、目も耳も足りない、もう一回観たい・・・

 

霧矢メッダさん

主人公を応援する妖精(?) というか魔法使いポジションの美女。

ヴィジュアルお披露目のときは、その色味からどちらかというと敵方なのかな
って思っちゃったけど、ただの好い方でした(^^♪

迫力ありましたね。魅力的な美魔女として、見せ場がくるとグッと締まります。

 

松平ピュリツァーさん

幼いころから触れていた暴れん坊将軍さま、今だ記憶に鮮明なマツケンサンバ
実際に目にすることができる機会が、まさかこのミュージカルとは。
お年を重ねられても、流石かっこいいですね。

ピュリツァーも、完全なるウィランズではないのかな?(パンフより)
彼には彼の生い立ちと考え方がある。でも悪どい。

好きにはなれない。でも歩み寄ることはできる?
ファンタジーと現実とを繋ぐ重鎮ですね。

 

 

ストライキについて。

昔、部活の先生に対して、ちょっとストを起こしたことがあって。

今回のNEWSIESのように、生活に逼迫することではく、激しさもなかったけど
ストライキに懸ける正義の熱量は少しだけ肌感で分かる。

自分たちの言い分を理解してもらえず、私たちも先生の立場を認めきれなかった
幼さからくるものだったと今は解釈しているけれど。
数か月くらいかな、当時の部長さんが橋渡し役になってくれて、
緩やかに関係を戻していった。でもその期間はキツかったな、色々と。

なんとなくだけど、自分の過去を見直す時間にもなりました。

 

 

役者さん同士で触れ合う場面があるとき、みんな楽しそうなのが伝わってきて。

きょもちゃんの座長姿、温かいのだろうなって感じられた。

愛されていますね。

 

オケの皆さん、音響さん、照明さん、その他カンパニーの皆さん。
劇場のスタッフの方々・・・そして 小池先生、
素敵な時間をありがとうございました。

 

YouTubeに公式動画のお披露目もあったので、時折帰りたいと思います。

 

新たな見聞に触れることができた幸せ者でした。

#forever NEWSIES